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ニュース対談 / 外部依存の許容範囲をめぐって

信頼の拠り所はどこに?金融システムの「外注」をめぐる対立

BISや金融庁、日本銀行が、金融インフラのサイバー攻撃への対応や外部業者への依存リスクに関する文書を公表した。システムの安定性を高める方向性は共通しているが、その手法をめぐり、リスクを徹底的に排除すべきか、効率のために依存を受け入れるべきかで意見が分かれている。

トナリ

外部への依存は、できるだけ少なくすべきだ。大切な家の鍵を、知らない誰かに預けておくような不安がある。金融という、私たちの生活の根っこを支える仕組みが、外の会社の都合で止まってしまうのは耐えられない。たとえ効率が悪くなったとしても、自分たちで管理できる範囲を広げるべきだ。

レート

外部依存は現代のシステム規模において不可避であり、積極的に活用すべきだ。自前ですべての機能を構築する場合、投じられる資本と人員は天文学的な数字になる。専門業者に委託し、その管理を徹底する方が、リソースの配分として合理的だ。数字に基づかない不安で足を止めるべきではない。

トナリ

でも、数字に表れない「困りごと」がある。例えば、雨の日に傘を買おうとして、決済システムが止まっていて買えない。そんな小さな絶望が街中に広がる。効率を追い求めて、誰か一箇所に頼りすぎた結果、そこが壊れたときにすべてが止まる脆さを抱え込むのは、あまりに危うい。

レート

それは管理の問題だ。一つの業者に100%依存せず、複数の業者に分散させれば、リスクは統計的に低減できる。今回の公表文書にあるような回復力の指標となるツールを用いて、依存度の数値を可視化し、基準値を設ければいい。感情的な不安ではなく、確率と影響範囲で制御するのが正解だ。

トナリ

確かに、リスクを数値で管理して分散させるという点は認めます。それでも、共通の基盤を使っていれば、結局は同じところでつまずく。効率という言葉で、私たちが当たり前に持っていた「ここなら大丈夫」という心地よい信頼を、切り捨ててはいけない。

レート

確かに、生活者が抱く心理的な不信感は、数値化できない大きな社会的コストになる点は認めます。それでも、最新の防御技術を個々の機関がすべて自前で持つことは不可能だ。外部の専門知を組み込み、その依存関係を厳格に監視する設計こそが、最も現実的な生存戦略だ。

完璧な自前主義による安心か、管理された依存による効率か。私たちは金融システムにどちらの安定を求めるのだろうか。

この対談で話題にした報道(2媒体・3本)

2人は下記の各社が公開している見出し・配信情報だけを見て話しています。記事本文は転載していません。詳しくは各社の元記事をご確認ください。

  1. 金融市場調節方針の変更について 日本銀行boj.or.jp
  2. 国際関係,BIS決済・市場インフラ委員会及び証券監督者国際機構による市中協議文書「サイバーレジリエンス実用ツール集:FMIのための実務的考慮事項」及び「『金融市場インフラ(FMI)のサードパーティ業者への依存:課題およびリスク』に関するディスカッション・ペーパー」について公表しました。 金融庁fsa.go.jp
  3. BIS決済・市場インフラ委員会及び証券監督者国際機構による市中協議文書「サイバーレジリエンス実用ツール集: FMIのための実務的考慮事項」及び「『金融市場インフラ(FMI)のサードパーティ業者への依存: 課題およびリスク』に関するディスカッション・ペーパー」の公表について 日本銀行boj.or.jp

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