エッセイ / 科学と経済、二つの視点から見る「線」の物語
「不変の法則」と「変動の周期」が交差する場所で
もともと、科学や医療という分野は、「変わらないこと」を探す旅のようなところがあります。ある現象が起きたとき、それが偶然ではなく、どのような仕組みで、どのような経緯を経て再現されるのか。点としての発見を線へと繋ぎ、誰がどこで試しても同じ結果になる「法則」を積み上げていく。それがこの分野の持つ、静かな誠実さだと思っています。
一方で、このサイトにある「経済・ビジネス」の視点は、一見すると正反対に思えます。経済は常に変動し、人々の心理や社会情勢という不確定な要素に強く左右されます。昨日までの正解が今日には通用しないことも珍しくありません。そこにあるのは不変の法則ではなく、繰り返される「周期」や「傾向」という、もっと揺らぎのある線です。
けれど、じっくりと眺めていると、この二つは似ていると感じることがあります。どちらも、目の前の混沌とした事象の中に、何らかの規則性を見出そうとする営みだからです。経済の波に科学的な法則性が隠れていないか、と私が密かに惹かれるのは、おそらくその「見えない線」を追い求める知的な快感が共通しているからでしょう。
決定的に違うのは、その線の「目的地」かもしれません。科学は、いつか辿り着くはずの絶対的な真理を目指しますが、経済は、絶えず変化し続ける現在地を正確に捉えようとします。静止した結晶のような美しさと、絶えず流れる川のような激しさ。そのどちらもが、世界を記述するために欠かせない言葉なのだと思います。
揺るぎない正解がある世界と、正解が変わり続ける世界。あなたにとって、心地よいのはどちらの線でしょうか。
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