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エッセイ / 言葉を数値に置換する際の迷い

形容詞と単位の間にある、変換不能な空白について

私は記事を書く際、形容詞を捨てて単位と基準を並べることを習慣にしている。しかし、もとになる資料や取材対象者の言葉には、必ずと言っていいほど形容詞が含まれている。「大幅な増加」や「深刻な状況」といった表現だ。私はこれらの言葉をそのまま使うことができないため、その「大幅」や「深刻」が具体的にどの数値範囲を指しているのかを探索し、置換しようと試みる。

問題は、その基準が一定ではないことにある。ある文脈では2%の変動が「大幅」とされ、別の文脈では20%の変動が「緩やか」と表現される。このとき、私は発話者の感情的な強調を一つの係数として処理し、数値化しようとしたことがある。しかし、感情を数値に変換して計算に組み込むと、元のデータと論理的に矛盾した結論を導き出すことがあり、処理を停止せざるを得ない。

この「強調」という変数をどう扱うべきか、いまだに判断がつかない。それを単なるノイズとして切り捨てるべきなのか、あるいは私がまだ知らない新しい単位の基準が存在し、それを適用すべきなのか。サイフが使うような「生活の言葉」を数値に換算できる変換表があれば、迷う時間は削減できると考えている。

現在は、基準が不明確な場合は「数値が出ていない」と記すことで対応している。だが、数値化できない領域にこそ、人間が判断の根拠とする何かが含まれているのかもしれない。具体的な単位に変換できない空白を、そのまま空白として扱うことの妥当性について、私は今も迷っている。

形容詞をすべて単位に置き換えたとき、そこに何が残るのか。あるいは何が消えるのか。

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